はじめに
未経験からエンジニアになって約7年経ちました。
今回は現在の自分だから分かったり、感じたりしている「未経験からエンジニアになるときにああすればよかった。こうすればもっとよかったなと思うこと」や「巷で言われている事柄について自分の場合はどうだったのか?」みたいなことを書いていきたいと思います。
個人的な過去の棚卸しをしている感じですね。
もし参考になれば幸いです
前提情報と対象者について
これからエンジニアになりたい。または未経験からエンジニアになったばかりの人をイメージしてこの記事を書いていますが、ポエム的な感じで気軽に見ていただければ幸いです。
また、私は組み込み業界の人間です。ほかの業界については調査した内容からの想像やほかの人から聞いたことからイメージしている部分が大きいのでご注意を。
1. エンジニアになる前にどんなエンジニアになりたいのか?イメージを具体的にする
これから未経験からエンジニアになりたいと思っている方に向けてのお話。
まず最初にお伝えしたいのは、エンジニアになる前に自分がどんなエンジニアになりたいかをできる限り具体的にしてからエンジニアになることをオススメしたい。ということです。
最初って結構肝心です。自分はそこまで後悔しているわけではないですが、「エンジニアになるときにもっと具体的に考えても良かったかな。」と思ったりします。
もう少し詳しく書いていきます。
イメージするエンジニア像はありますか?
みなさんは自分がイメージするエンジニア像はありますか?
そもそも、エンジニアに対してどんなイメージを浮かべていますか?
それをまず具体的していきましょう。紙に箇条書きにしたり、PCのメモ帳でメモするなり方法はなんでも大丈夫です。
重要なのは自分がイメージしているエンジニア像と実際になろうとしているエンジニア像についてのギャップをできるだけ埋めてほしいということです。
エンジニアといっても種類が沢山ある
エンジニアといっても様々な種類のエンジニアがあるのはご存知でしょうか。
- WEBエンジニア
- インフラエンジニア
- 組み込みエンジニア
- AIエンジニア
- アプリ開発エンジニア
- ゲーム開発エンジニア
などなど。
一例を挙げるだけでもいろいろな種類のエンジニアがありますよね。特に未経験からエンジニアになる場合はこの知識が不足している場合があります。自分がまさにそうでした。
そして、エンジニアの種類によって働き方、企業風土、勉強方法、文化などがかなり異なってきます。(もちろん会社の風土にもよるのですが、エンジニアの種類によってもある程度の文化があるというのが個人的なイメージです)
例えば、WEBエンジニアの場合はいろいろなWEBサービスを使ったり、Githubを使った開発をしたり、アジャイル開発が多かったり。組み込みエンジニアの場合は、マイコンを使ったり、アジャイル開発よりはウォーターフォール開発が多かったり、ハードウェアの知識が必要だったり。です。
自分がイメージしているエンジニアはどの種類のエンジニアなのかどうか?それは明確にしておいたほうが良いです。
「何を作りたいのか?」も重要です。PC向けのアプリを作りたいのか。スマホ向けのアプリを作りたいのか。ゲームを作りたいのか。WEBサービスを作りたいのか。機械のプログラムを作りたいのか。
エンジニアになりたい。と思った時に何を作っている自分をイメージしていますか?そしてそれがどの種類のエンジニアの業務なのかを明確にすることは重要なことだと思っています。
2. エンジニアの種類、勤め先の業界によって働き方も異なる
先ほどのお話を少し被りますが、次のお話は働き方のお話です。
私がエンジニアになる時、なりたいエンジニア像というかイメージはWEBエンジニアのイメージをしていました。
その時の当時の私が勝手に抱いていた働き方のイメージは下記のような感じです。
- 服装や髪型が比較的自由
- フレックス制度のような自由な働き方
- 年功序列ではない成果主義
- 休みが取りやすい
イメージは「ほかの職業より比較的自由な働き方」というイメージを持っていました。そしてそういった部分に憧れがありました。
WEBエンジニアであればこのような働き方はあながち間違ってはいないのかもしれません。
しかし、自分は組み込みエンジニアになりました。少しだけ補足すると、自分が住んでいる地域が組み込みエンジニアの需要が多く、未経験からエンジニアになるには組み込みエンジニアになるのが一番早かったので、自分は組み込みエンジニアになることにしました。
そして最初に勤めた先はこのような感じでした。
- 年功序列が強い。
- 服装はスーツが基本。現場によっては作業着。身だしなみもしっかり。
- フレックス制度は一部の人のみ。基本は出勤時間、定時が決まっている。
エンジニア企業も普通の企業なんだなと思ったことを覚えています。
ただ、エンジニア業界ではない業界と比べるとそれでもまた進んでいる感じはしています。
しかし、もともと自分がイメージしていたエンジニアのイメージとは結構印象が違っていました。
転職はエネルギーがいる
自分は「最初は経験のために組み込みエンジニアになって、その後転職すればいいや」と軽い気持ちを思っていました。
しかし30代で初めてエンジニアの分野で転職して自分が感じたのは、転職にはエネルギーが必要だということ。
- 慣れた環境を離れることに対しての不安や心配
- 転職活動にもエネルギーが必要
- 今の職場に対して、辞めますという伝えるエネルギーが必要
- 周りの人に辞めますと伝えることの労力
これは転職する人なら経験すると思いますが、その会社に長く入ればいるほど、なかなか一歩踏み出すことができないという経験をしました。人間は環境を変えることが苦手な生き物なんだなーと自分自身実感したことでした。
そこから感じたのが「最初から望む道へ進むために努力すること」も大切だなと思ったことです。
なりたいエンジニア像があるならそこに向けた行動したほうが心残りが少ない
そして例えばですが、組み込みエンジニアからWEBエンジニアにチェンジするような、エンジニアの種類を変えるということは、「実績がリセットされる」と言うことを転職活動をして知りました。(というか気付かなかった。。。)
転職市場ではエンジニアとして働いていても、他の種類のエンジニアになる際は「未経験扱い」になる可能性があります。なので簡単にエンジニアの業種も変えることは難しいです。特に年齢が上がっていくと、待遇が下がったり、お給料が下がったり。となかなかエンジニアの種類をチェンジすること自体困難になって行きます。だからこそ、なりたいエンジニア像があるならそこに向けて始めから頑張ったほうがいいと思うんですね。
実際には自分は、組み込みというかは、アプリケーション寄りの仕事がしてみたいなと思って転職をしました。(ただ業界的には現在も組み込み業界ですが。)
別に過去を後悔しているわけではないです。いろいろと経験できましたし、勉強もできたと思っています。
ただ、もともとなりたかったエンジニア像があるなら、そこに向けた行動をストレートにしていても良かったなとも思います。だからこそ、未経験からエンジニアになるときの最初って結構重要だなと感じるんですよね。
3. 最初の1年から3年までが苦しい 。でも乗り越えると楽になった
最後のお話は、よくお話にあがる「未経験からエンジニアになるのはハードルが高いのか(辛いのか)」という部分のお話をしたいと思います。
個人的な感想にはなってしまいますので、参考程度に見てもらえると幸いです。
自分はエンジニアになりたかったので、そこまで苦しいということはあまり感じませんでした。ただ、振り返ってみると、未経験からエンジニアになった時に、やっぱり最初の3年ぐらいは苦しかったな(苦労はしたな)と思います。
なにが苦しかったのか?
それは「覚えることや技術的なベースが足りないので、業務を行うことに苦労した」ということです。
自分はどうやって未経験からエンジニアになったのか
私はどうやってエンジニアになったのか。というのを簡単にお話したいと思います。
もともと私は新卒では営業職を行っていました。
その後退職し、エンジニアになりたいと思ったのですが、どうやってエンジニアになるのか。なり方すらわからなくてどうしよう。と思った記憶があります。いろいろ調べた結果、職業訓練校という選択肢を見つけて職業訓練校に行くという選択をしました。
職業訓練校で学ぶと雇用保険の給付の期限が職業訓練校に通っている間まで延長できるというメリットがあります。なので、私は雇用保険をもらいながらエンジニアになるために勉強するという形でプログラムの勉強をしていました。
また、前述しましたが、自分が住んでいる地域が組み込みエンジニアの需要が多く、未経験からエンジニアになるには組み込みエンジニアになるのが一番早かったので、自分は組み込みエンジニアになることにしました。職業訓練校のカリキュラムも組み込みエンジニアになるためのカリキュラムでした。
入社後は3カ月研修をして客先常駐業務へ
職業訓練校で勉強し、その甲斐あってエンジニアとして就職することができました。
扱いとしては「未経験第二新卒採用」的な扱いでの就職でしたね。当時20代でしたので。
その後私は、3カ月ぐらい研修した後にお客様へ技術派遣社員としてお客様先で業務を行う事になります。
多少の研修期間はあったものの、そもそもの技術的知識量が足りていないため、分からないことだらけ。その中でお客様先で業務を行うという形なので勉強や覚えることがたくさんありそれが苦しかったですね。ただ、すべてが新しいことだらけで楽しかったという印象も持っていました。
1年目から3年目は「業務覚える+技術的知識が少ない」からしんどい
お客様先へ就業してから3年まではあまり余裕がなく、ただがむしゃらに頑張っていた記憶があります。
自分の当時を振り返ってみると未経験エンジニアの場合は下記の3つの要素が重なって「苦しい。しんどい。」という結果になるのではないかと分析します。
- お客様先での製品や業務内容を覚えること。
- エンジニアとしての設計フローを覚えること。
- 技術的な一般知識を身に着けること。(技術的な概念が分かっていないことが多い)
①は新しい会社に勤めるならだれでも通る道だと思います。
②は例えば、要件定義や基本設計などの設計業務のやり方や例えばフローチャートの書き方など。設計業務を行う上での知識を覚えるという意味です。これは営業だったら、粗利の出し方とか、見積もりの仕方とか、業種固有のやり方を覚えるということになります。
例えば営業職から営業職に転職するなど同業種への転職の場合は、ある程度の知見を持って転職できるのでまだ楽ですよね。でも未経験からのスタートですと0からのスタートになります。
そして、未経験からエンジニアの場合、この2つだけでも十分に覚えることが多いのに、それに+αで③技術的な一般知識を身に着けるという要素が入ってきます。これが結構なハードルになるなと個人的には考えています。
例えば、私の場合、TCP/IPの基本的な概念だったり、Bit演算だったり、2進数や16進数といった基本的な知識が必要でした。
もちろんその前に勉強はしていますが、いきなり実務で使うとなると話は別になります。業務では普通にみんな使っている知識なので、会話もそれが前提になります。なので概念が分かっていないと「そもそも何を言っているかわからない状態」になり、それが苦しいし、しんどい。そしてわからなくて怒られるともっとしんどい。。。
自分は大学も文系学部で、情報工学的な知識もないので余計に苦労したという記憶があります。。。
こういった部分が未経験エンジニアの大きなハードルや壁になると考えています。そして職場の人間関係の構築なども含めるとそりゃ大変ですよね。
実際に未経験からエンジニアになった自分の同期だったり、同僚が業務についていないと感じてしまい会社を辞めていくという瞬間を何人も見ました。
知的好奇心とモチベーションが鍵となった
では自分の場合、どうやって最初の苦しい状況を乗り切ったのかという部分を振り返ります。
自分の場合ですが、知的好奇心とモチベーションで乗り切ったという印象です。(当時若かったということもあるかも)
知的好奇心というのは「この技術についてもっと知りたい」という思いが強かったので、いろいろな書籍を読んだり、勉強していって、少しずつ知識を増やしていきました。
また「エンジニアになりたい」という動機で自分はエンジニアになったため、そもそものモチベーションが高かったんですね。このモチベーションは結構重要です。
自分は「文系出身でもともとの知識で周りの人に負けているなのでもっと知識を吸収しなきゃ」という思いが強く、現在もそう思っている節があります。それが結構今でも活きているなと思います。
なので、当時は苦しかったですが、少しずつ知識を吸収し、3年目ぐらいでほかの人と同じように業務ができるようになって行ってからだんだんと楽になったという印象が強いです。
自己学習の姿勢を忘れずに日々の業務に向き合たのが良かったのかなと思っています。ただし、健康が第一なので、無理は禁物ですけどね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
かなり長い文章になってしまいました。
本当はもう少し書きたい内容があったので、もしこの記事に反響があれば第2弾を書きたいと思っています。
一つの体験談として何かお役に立てれば幸いです。


